帯状疱疹の初期症状
帯状疱疹とは、身体の左右どちらかの比較的狭い範囲に、水ぶくれを伴う赤み(疱疹)が生じる病気です。典型例では、まず赤い発疹が現れ、次に同じ部位に水ぶくれができます。水ぶくれはその後、かさぶたとなります。
また多くの場合、疱疹が現れる部位に痛みを伴います。この痛みは赤み・水ぶくれに数日から1週間ほど先行して生じることがあり、その場合は痛みが初期症状となります。
帯状疱疹は、治療が遅れると帯状疱疹後神経痛などの後遺症が残ったりすることもある、やっかいな病気です。赤みや水ぶくれ、あるいは気になる皮膚の痛みが現れた場合には、できるだけ早く当院にご相談ください。
どのような痛み?
痛みの現れ方はさまざまです。
「ピリピリ・チクチク」といった痛み方が多いものの、「ズキンズキンと響く痛み」「夜間に目が覚めるくらいの強い痛み」「電気が流れた・雷に打たれたような痛み(電撃痛)」を感じる方もおられます。
また、顔に発症して頭痛を感じる、首・胸・背中に発症して肩こりを感じるといったケースもあります。
帯状疱疹ができやすい場所
身体の左右どちらかの比較的狭い範囲に、帯状に症状が現れます。
多いのは、胸・腕・背中といった上半身です。その他、腹部・お尻・下肢、あるいは頭部や顔など、全身のどこにでも現れる可能性があります。
帯状疱疹の原因
帯状疱疹の原因は、水痘・帯状疱疹ウイルスです。
初めて水痘・帯状疱疹ウイルスに感染した時(多くは2~8歳くらい)には、まず「水ぼうそう」を発症します。発症していなくても潜伏感染している場合が多いです。水痘・帯状疱疹ウイルスは、水ぼうそうの症状が落ち着いてからも体内の神経節に潜み、加齢・病気・ストレスなどによって免疫力が低下してきた時に増殖し、「帯状疱疹」を発症させます。
なお、水痘・帯状疱疹ウイルスを完全に排除する治療法は未だ確立されていません。

帯状疱疹になりやすい人・
なりにくい人
以下に該当する人は、そうでない人と比べると、帯状疱疹になりやすいと言えます。
- 50歳以上の方
- 精神的、肉体的ストレスが蓄積している人
- 糖尿病、がん、自己免疫疾患などがある人
- ステロイド、抗がん剤などを使用している人
帯状疱疹は人にうつる?
帯状疱疹患者の水ぶくれの中には、水痘・帯状疱疹ウイルスがいます。
この水ぶくれに触れることで水痘・帯状疱疹ウイルスが付着すると、水ぼうそうになったことのない人の場合は、水ぼうそうを発症する可能性があります。
そのため、帯状疱疹の方は、水ぶくれがかさぶたとなり完全に乾くまで、水ぼうそうになったことのない人(主に小児)には近づかないようにするなどの配慮が必要です。
帯状疱疹の治療方法
薬物療法
抗ウイルス薬(内服・点滴)
水痘・帯状疱疹ウイルスの増殖を抑える内服が基本となります。
あくまで増殖を抑える薬であるため、十分な効果を得るためには、診断後、早期に内服することが大切になります。反対に内服が遅れると、合併症・後遺症のリスクが高くなってしまいます。また、すぐに効果を実感できる薬ではないため、「効かないから」と自己判断で内服を中止するといったことはおやめください。自己判断での内服の増量も、副作用が強く出るおそれがあるため、同様におやめください。
嚥下障害があり内服が困難な場合、重症の場合には、抗ウイルス薬を点滴で投与することもあります
鎮痛剤・神経痛治療薬
痛みがある場合には、痛みを抑える鎮痛剤、神経痛治療薬を処方します。痛みを我慢するとより神経痛が悪化するため、早期から無理をせずご使用ください。
なお、治療の経過の中で、処方するお薬が変更されることがあります。これは、経過ごとに神経が受けるダメージの状態が異なるためです。
創傷治療薬(外用)
水ぶくれ、水ぶくれが潰れた後のびらんに対して、保護したり治癒を促進したり、二次感染を予防するための外用薬を使用します。
抗ウイルス薬の外用は、あまり効果が期待できないため、基本的に選択されません。
生活習慣の改善
神経節に潜んでいた水痘・帯状疱疹ウイルスが活性化し帯状疱疹を発症したということは、身体が弱っていたり、疲れていたりといったことが疑われます。そのため、治療では心身を休ませ、バランスの良い食事をとることも大切です。感染の拡大を予防するという意味でも、できれば学校やお仕事はお休みになってください。
また、何らかの疾患が疑われる場合などは、内科の受診、がん検診をおすすめすることがあります。
ペインクリニックへのご紹介
帯状疱疹の治癒後、強い痛みが残る(帯状疱疹後神経痛)場合には、痛みの専門医のいるペインクリニックをご紹介することも可能です。
帯状疱疹の予防とワクチン
精神的・身体的ストレスを
溜め過ぎない
心や身体が疲弊すると、免疫力が低下し、神経節に潜む水痘・帯状疱疹ウイルスが活性化しやすくなります。
特に40代以上の方は、バランスの良い食事と十分な睡眠をとるなど規則正しい生活を送り、精神的・身体的ストレスが溜めすぎないようにしましょう。
帯状疱疹ワクチン
帯状疱疹は、ワクチンの接種によって、その発症・後遺症のリスクを低減させることが可能です。
50歳以上の方、過去に帯状疱疹を発症したことがある方は、積極的な接種をおすすめします。
なお、2025年4月より、その年に65歳・70歳・75歳・80歳・85歳・90歳・95歳・100歳を迎える方を対象とした帯状疱疹ワクチンの定期接種が開始されています。
帯状疱疹になったら
してはいけないこと
活発に活動する
仕事や勉強、運動などは、少なからず心身にストレスをかけ、これが帯状疱疹の症状を悪化させるおそれがあります。
仕事・学校はできればお休みし、自宅で安静にしてお過ごしください。
水ぶくれを潰す
水ぶくれが気になるからといって潰してしまうと、治癒まで時間がかかったり、二次感染のリスクを高めたりするおそれがあります。できるだけ触らないでください。
水ぼうそうの既往がない人、
免疫力が低い人に近づかない
水ぼうそうの既往がない人に近づく・接触するなどしてウイルスがうつると、水ぼうそうを発症させてしまうことがあります。ただ、家族でもない限り、既往の有無は分かりません。小さなお子様、病気・高齢などで免疫力が低下している人には、近づかないようにしましょう。
