脂漏性皮膚炎とは
脂漏性皮膚炎とは、頭部・顔といった皮脂の分泌が盛んな部位で発生しやすい慢性の皮膚炎です。
皮膚の赤み・かゆみなどの症状が見られます。頭部に発症した場合には、フケを伴います。
思春期~中年の成人、乳児によく見られます。
乳児の場合
生後2~4週頃は、母体から受け取ったホルモンの影響で皮脂の分泌が盛んです。そのため、しばしば脂漏性皮膚炎が見られます。
頭部・額・眉付近に黄色っぽいかさぶたができたり、かさつきが見られたりします。
適切なスキンケアにより、生後12カ月頃までには落ち着くことが多いです。
成人の場合
皮脂の分泌量が多い思春期~中年の、特に男性によく見られます。
頭部・髪の生え際・耳の後ろ・眉間・眉付近・鼻付近・首・腋・胸・脚の付け根などに赤みや鱗屑・フケが生じます。かゆみの有無・程度は症例によってさまざまです。
成人の場合、スキンケアだけでは改善しにくく、再発しやすいため、皮膚科での治療をおすすめします。
脂漏性皮膚炎セルフチェック
脂漏性皮膚炎では、主に以下のような症状が見られます。
- 赤み
- かゆみ
- 鱗屑、フケ
- かさぶた、かさつき
脂漏性皮膚炎ができやすい部位と特徴
全身のさまざまな部位で発症しますが、特に頭部・顔・体幹部に現れることが多くなります。
| 頭部 | ・比較的かゆみが強く現れる。 ・フケを伴うことがある。 ・頭部から耳の後ろ、額などに広がることがある。 |
|---|---|
| 顔 | ・髪の生え際、眉間、眉や鼻付近などに赤み、かさつきの症状が出ることが多い。 ・眉や髭などがある部位での頻度が高い。 |
| 体幹部 | ・腋、胸、脚の付け根、乳房の下、へそ付近での頻度が高い。 |
脂漏性皮膚炎の原因
以下のようにさまざまな原因があり、多くの場合、これらが組み合わさって脂漏性皮膚炎を発症します。
- 体質の遺伝(皮脂の量が多い等)
- 洗顔、お風呂での洗体が不十分
- 寝不足、過度なストレス
- 脂っこいものの摂り過ぎなどの食生活の乱れ
- ホルモン異常、ビタミン代謝異常
- パーキンソン病、エイズなどからの合併
なお、成人の脂漏性皮膚炎の場合には、マラセチア菌という常在菌も関与すると言われています。皮脂の過剰な分泌によってマラセチア菌が増え、遊離脂肪酸を多く発生させることが、赤み・フケなどの原因となります。
脂漏性皮膚炎はどのような人がなりやすい?
以下のような人は、そうでない人と比べると脂漏性皮膚炎になりやすいと考えられます。
- 生後2~4週の乳児、思春期~中年の男性
- 女性ホルモンのバランスが激しく変動する時期(産後・更年期)の女性
- 皮脂の分泌が多い人、汗っかきの人
- 寝不足、ストレス、食生活の乱れがある人
- パーキンソン病やエイズなどに罹患している人
- リチウムやインターフェロンを使用している人
脂漏性皮膚炎の治し方
主に、薬物療法・生活習慣の改善を行います。
脂漏性皮膚炎は、症状が良くなったり悪くなったりを繰り返しやすい病気です。根気強く治療に取り組むことが大切ですので、何かご不安や疑問があれば、お気軽に医師までお尋ねください。
薬物療法
外用薬
赤み・かゆみが強い場合には、ステロイドの外用薬を使用します。漫然と使用すると、副作用が強くでるおそれがあるため、必ず医師の指示に従って使用しましょう。
その他、入浴後や洗顔後に使用する保湿剤を処方します。
内服薬
かゆみを軽減する効果のある抗ヒスタミン薬、抗アレルギー薬の内服を行うことがあります。
皮脂の分泌をコントロールするためのビタミンB製剤、漢方薬を併用することもあります。
生活習慣の改善
生活習慣の乱れが発症や悪化に関与するため、以下のような改善指導を行います。
- 高カロリー食、高脂肪食を控え、栄養バランスの整った食事を摂りましょう。
- 十分に睡眠をとり、ストレスを溜めないようにしましょう。
- 飲酒、喫煙はなるべく控えましょう。
- 洗顔時、入浴時には、お肌に合った、低刺激性の洗顔料や石鹸を使いましょう。また洗顔後・入浴後には、すぐに保湿をしましょう。
- 洗いすぎは、逆効果になるおそれがあります。洗顔は1日2回、入浴は1日1回を基本としてください。
- 入浴後は、タオルで水気を取った後、ドライヤーで頭皮までよく乾かすことをおすすめします。
脂漏性皮膚炎のよくある質問
脂漏性皮膚炎は、自然に治りますか?
乳児の脂漏性皮膚炎は、その後の皮脂の分泌の落ち着き、適切なスキンケアによって自然治癒が期待できます。一方の成人の脂漏性皮膚炎は、自然治癒はあまり期待できません。似た症状を持つ他の疾患と鑑別し、適切な治療を行うためにも、皮膚科の受診をおすすめします。
脂漏性皮膚炎にダメな食べ物は?
何かをまったく食べられないということは基本的にありません。ただし、高カロリー・高脂肪の食生活、お菓子・甘い物の食べ過ぎ、お酒の飲み過ぎなどは、皮脂の過剰な分泌を招くため、避けましょう。
脂漏性皮膚炎になったら毎日シャンプーしたほうがいいですか?
はい、毎日シャンプーをしてください。ただし、肌に合った、低刺激性のシャンプーを使用されることをおすすめします。また、洗いすぎは逆効果となるため、洗髪は1日に1回に留めましょう。洗髪後はタオルで水気を取り、ドライヤーで頭皮までしっかり乾かします。
脂漏性皮膚炎になったら気を付けることはなんですか?
生活習慣を改め、皮脂の過剰な分泌を避けることが大切になります。寝不足・ストレス・食生活の乱れ・昼夜逆転生活などがあれば、改善していきます。
脂漏皮膚炎の頭皮は、どのくらいで治りますか?
症例や治療法によって異なりますが、1~2週間くらいで治療の効果を実感できることが多くなります。ただ、そこから悪化する、一度落ち着いたのに再発するといこともあるため、医師の指示に従って治療を継続しましょう。自己判断で薬の使用をやめる・量を減らすなどすると、悪化や再発のリスクが高くなります。
