陥没乳頭とは?
陥没乳頭とは、乳頭(乳首)が乳輪よりへこんでおり、それが常時続いていることを指します。引っ張ると出てくる(その後自然に戻る)というものは軽症、引っ張っても出てこないものは重症となります。
見た目が気になる方が多い上、垢が溜まって炎症が生じる・陥没の程度によっては授乳ができない等、健康や育児の問題も伴います。
日本人女性のうち、10人に1人に見られる、比較的身近な疾患です。当院では、装具を用いた矯正治療や手術による陥没乳頭治療を行っています。
正常な乳頭と陥没乳頭の種類
正常な乳頭
乳頭(乳首)が乳頭よりも前方に突出しています。押したからといって陥没することもありません。
仮性陥没乳頭
指で引っ張る・刺激を与えるなどすると乳頭が出てきます。しかしその後、自然に元に戻ってしまいます。
真性陥没乳頭
指で引っ張ったり、刺激を与えても乳頭が出てきません。
陥没乳頭の症状チェック
陥没乳頭によって、以下のような問題が生じます。
- 見た目へのコンプレックス
- かゆみ
- 垢が溜まり、炎症や感染を起こすことがある
- 乳腺炎の原因になることがある
- 授乳が難しい、できないことがある
重度な陥没乳頭とは
どういう状態?
重度の陥没乳頭とは、指で引っ張ったり刺激を与えたりしても、乳頭が出てこないケースを指します。「真性陥没乳頭」とも言います。
陥没乳頭の原因
陥没乳頭は先天性のもの、後天性のものがあり、それぞれ原因が異なります。
先天性陥没乳頭
乳管の短さ、組織の発育不全によって、生まれつきの陥没乳頭になることがあります。
後天性陥没乳頭
加齢、乳房手術、乳がん、乳腺炎などを原因として、後天的に陥没乳頭になることがあります。
陥没乳頭は乳がんと関係ある?
陥没乳頭ががん化する、陥没乳頭を原因として乳がんになるということはありません。
しかしその逆の、乳がんを原因として陥没乳頭になることはあります。乳がんに伴うがん細胞の増殖によって、乳頭が引き込まれ、陥没するのです。
陥没乳頭の治療方法
当院では主に、以下のような治療を行っています。
装具による矯正
乳頭を指で引っ張り出すことができ、しばらくその状態が続くというケースでは、矯正器具のみで治る可能性が高くなります。
3~6カ月間、矯正器具を装着すると、治癒が期待できます。
形成手術
局所麻酔で行う手術です。乳頭の根元を約1センチ切開し、皮下の剥離・乳管の露出の上、乳管をできるだけ切断しないように周囲より剥離します。それでも乳頭が突出しない場合には、その原因となっている乳管を1~2本、切断します。皮膚を縫合し、装具で吊り上げ固定し、終了です。装具の除去・抜糸は7~10日後に行います。
また再発防止のため、抜糸後3カ月ほど、簡単な装具の装着をお願いする場合もあります。
陥没乳頭が授乳に影響を及ぼす可能性がある場合には、保険が適用されます。
陥没乳頭治療の費用
| 費用(3割負担) | |
| 片側手術 | 約27,500円 |
陥没乳頭治療のよくある質問
手術後、通院が必要ですか?
14日後に行う抜糸までのあいだ、4~5回、ガーゼ交換・経過観察のためにご来院いただきます。手術法によっては上皮日まで1ヶ月程度かかることもあります。
手術跡は残りませんか?
傷跡は完全には消えません。ただ、乳頭の皮膚はまわりの皮膚より色が濃いため、あまり目立ちません。
術後は授乳が可能になりますか?
授乳しやすくなりますが、もともと乳管が詰まりやすいという方もおられ、特に初産の方は必ず授乳ができると断言することはできません。
陥没乳首(乳頭)は珍しいですか?
重症度の違いはありますが、決して珍しいものではありません。
陥没乳頭の手術後、再発はしませんか?
原因になる乳管を残す手術なので再発はありえます。当院では、再発が疑われる症例には抜糸後に3カ月ほど装具をつけていただき、再発のリスクを最小限に抑えられるよう努めています。
